BLOGノーコードで実現するアプリケーションカタログの構築:NocoBaseを使った事例紹介

近年、企業におけるアプリケーションの管理やアーキテクチャガバナンスがますます重要になっています。一方で、複雑なシステムをコードレスで構築・管理したいというニーズも高まっています。

そこで本記事では、オープンソースのノーコードプラットフォーム「NocoBase(ノコベース)」を活用し、アーキテクチャガバナンスを支援する「アプリケーションカタログ」の構築事例をご紹介します。専門的なプログラミング知識がなくても、視覚的にデータ構造を定義し、フォームやグラフ、ワークフローを柔軟に作成できるNocoBaseの魅力を、具体的な操作とともにお伝えします。

NocoBaseとは?

NocoBaseは、JavaScript/TypeScript/Node.jsベースで開発された、オープンソースのノーコード/ローコード開発プラットフォームです。直感的なUIでアプリケーションを構築できる点が特徴で、特に次のような機能を備えています。

  • 視覚的なデータモデリング:テーブル設計やリレーション設定をドラッグ&ドロップで実現
  • フォーム作成機能:各種入力フォームをGUIで定義可能
  • ワークフロー自動化:条件分岐や通知機能などのビジネスプロセスを自動化
  • 豊富なプラグイン:用途に応じた機能拡張が可能(無料/有料あり)
  • PostgresやMySQLなど主要DBに対応
  • 活発なコミュニティとGitHubによる継続的な開発

今回の事例:アーキテクチャポータルの構築

本記事では、NocoBaseを使って「アーキテクチャポータル」というアプリケーションを構築するケーススタディを取り上げます。このポータルは、組織内のアプリケーション情報を一元管理するもので、以下の機能を備えています。

  • アプリケーションカタログの作成:名称、開発責任者、ステータス、関連技術などを管理
  • 更新通知リマインダー:バージョンアップや証明書期限切れのリマインド
  • APIカタログの管理:各アプリケーションが提供するAPI情報の一覧化
  • データ可視化:アプリケーションの分布や更新状況をグラフで表示

これらの機能を、コーディングなしで実現する方法を以下に紹介します。

使用する技術

  • NocoBase:ノーコードプラットフォーム
  • PostgreSQL:データベース(NocoBaseと接続)
  • Docker:ローカル環境にNocoBaseを簡単に構築するためのコンテナ技術

実装ステップ

1. NocoBaseのセットアップ

Dockerを使って、NocoBaseとPostgresの環境を簡単に構築します。公式ドキュメントに従えば数分で完了します。

2. テーブルの作成

「アプリケーション情報」「API一覧」「バージョン管理」など、必要なデータ構造をGUI上で定義。テーブル同士のリレーション(例:アプリとAPIの紐付け)も視覚的に設定可能です。

3. メニュー・フォームの設定

サイドメニューから各テーブルにアクセスできるようにし、それぞれの登録・編集フォームをデザインします。フォームには入力チェックや表示条件などのロジックも追加できます。

4. グラフ・チャートの作成

Pieチャートや棒グラフを使って、アプリケーションのステータス分布や担当者別の件数などを可視化。社内レポートに活用できます。

5. ワークフロー自動化

たとえば、証明書の有効期限が近づいたら担当者に通知メールを送るなどの処理も、NocoBase上で設定可能です。条件分岐や日付条件など柔軟にカスタマイズできます。

まとめ:NocoBaseで業務アプリ開発がもっと身近に

今回ご紹介したアーキテクチャポータルは一例に過ぎませんが、NocoBaseを使えば複雑な業務アプリケーションも、コードを書くことなく効率的に構築できます。

データモデリングから可視化、ワークフローまでを一気通貫で実現できるNocoBaseは、業務改善や情報管理のDX推進にも強い味方となるでしょう。

「業務にあわせた柔軟なアプリをすばやく構築したい」「開発リソースが足りない」といった課題をお持ちの方は、ぜひ一度NocoBaseの活用を検討してみてください。

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